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企業価値担保権設定 報告形式

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はじめに

企業価値担保権設定を運用開始日初日に申請する機会をいただきましたので、実務の備忘録としてメモを残したいと思います。
関係者から伺った限りでは、初日に報告形式で申請したケースは他になかったとのことですので、今後申請される方の参考になれば幸いです。

企業価値担保権の制度概要や詳細については他の専門サイトにお譲りし、本記事では設定登記を申請する上での実務的な注意点に絞って記載します。
なお、運用が始まって間もない制度であるため、管轄の法務局によって運用に違いがあったり、今後の通達によって変更になっている可能性もございます。
実際に申請される際は、必ず各自で最新の情報をご確認ください。

概論

企業価値担保権の申請は、不動産登記部門ではなく、法人登記部門に対して行います。
執筆時点では、まだオンライン対応している法務局がないため、書面申請によることとなります。
また、本登記の手続きは不動産登記の申請方法が準用されているため、別段の定めがない場合は、不動産登記のルールに従うことになります。
申請が完了すると、法人の登記簿に企業価値担保権の欄が追加され、その欄に
 ・順位番号
 ・登記の目的
 ・受付年月日、受付番号
 ・原因
 ・権利者その他の事項
が登記されます。

また、オンラインに対応するまでの間は、登記識別情報が発行されません。
そのため、登記済証を作成してもらうための申請書副本を添付する必要があります。
※申請書副本は添付情報欄には記載しません

登記申請書

特徴的なものは以下の3点かと思います。
1.企業価値担保権設定者の表示
2.義務者の押印
3.登記所に印鑑を提出している旨のチェック欄

1.企業価値担保権設定者の表示
義務者の商号と本店を、申請書の1番上に別記する必要があります。

2.義務者の押印
代理人申請の場合でも、委任状の押印に加えて、「申請書」へ義務者が押印する必要があります。
ロジックとしては、「事業性融資の推進等に関する法律施行令」の第16条1項2号において申請情報に義務者の押印が求められており、同5号にて、2号の措置(申請書への押印)及び委任状への押印が求められているため、とのことでした。

3.登記所に印鑑を提出している旨のチェック欄
ここは不動産登記の申請書と異なるため、注意が必要かと思います。
記載例の注釈では登記済証を提出できない場合にとのことですが、設定の申請なので当然登記済証はありません。
会社法人等番号の記載とは別にチェック欄があるのでご注意ください。

登記原因証明情報

初日に申請された他の方々は、みなさん企業価値担保権信託契約書を添付して申請されていたようです。
法務局側でも、そのほうが内容を確認しやすいとのことでした。

とはいえ、今回はせっかく報告形式の登記原因証明情報で申請を通しましたので、参考までにその記載内容を共有します。


登記原因証明情報の内容
1.登記申請情報の要項
 目的
 原因
 権利者
 義務者
2.登記の原因となる事実又は法律行為
 企業価値担保権信託契約を締結した旨
 『事業性融資の推進等に関する法律』第8条2項各号に定める事項
 極度額(または極度額の定めがないこと)

おわりに

新しい制度ということもあり、手探りでの申請ではありましたが、法務局側も事前紹介等に対応してくださり、とても貴重な経験ができました。
今後、オンライン指定庁が増えることにより実務の流れは変わっていくかと思いますが、これから申請を控えている皆様の参考になれば幸いです。

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